「敬老の日」は「国民の祝日に関する法律」によって定められている祝日のひとつです。
「敬老の日」が定着したのは「母の日」や「こどもの日」よりも後ですが、国民の祝日としては「みどりの日」や「海の日」よりも歴史があります。
「敬老の日」はいつから始まった？
「敬老の日」が国民の祝日に定められたのは1966年のことです。
同じく1966年に定められた祝日には「体育の日」があります。
当初「敬老の日」は毎年9月15日と決められていました。
しかし祝日を毎年同じ曜日に設定することで週末が長くなるようにする「ハッピーマンデー制度」の導入により、現在は9月の第3月曜日となっています。
ちなみに「体育の日」も以前は10月10日と決められていましたが、「ハッピーマンデー制度」により10月の第2月曜日に変更されました。
さらに名称も「体育の日」から「スポーツの日」に変わっています。
「ハッピーマンデー制度」により日付が変更されたのは「敬老の日」が2003年から、「体育の日」が2000年からです。
「敬老の日」ができた理由や作った人は？
「敬老の日」が祝日として制定されたのは1966年ですが、その起源は1947年に遡ります。
「敬老の日」の起源とされているのは、兵庫県多可郡野間谷村（現在の多可町八千代区）で1947年に開催された「敬老会」です。
「敬老会」を開催したのは野間谷村の村長であった門脇政夫氏。
「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という趣旨で開催されました。
「敬老会」の開催日を9月15日にした理由は、ひとつは農閑期で気候も良いということ。
もうひとつは戦後の混乱期で子どもを戦場に送った親も多く、彼らに報いるために「養老の滝」の伝説にちなんだということでした。
「養老の滝」の伝説というのは貧しい木こりが滝の岩間で汲んだ湧水を飲ませると、老いた父が若々しく元気になったというものです。
その伝説を聞きつけて元正天皇が「養老の滝」を行幸した日が717年9月15日とされています。
門脇政夫氏はこの伝説にちなんで9月15日を「としよりの日」とし、「敬老会」を開催しました。
1950年には兵庫県が9月15日を「としよりの日」に制定。
1963年に老人福祉法により、9月15日は「老人の日」に制定されました。
「老人の日」は老人福祉についての理解を深めることや、高齢者が自身の生活の向上に努めるよう促すことを目的としています。
「敬老の日」は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としていますので、起源は同じでも「敬老の日」と「老人の日」は別物なのです。
「敬老の日」発祥の地がある？
「敬老の日」発祥の地は前述のとおり兵庫県多可郡野間谷村（現在の多可町八千代区）です。
多可町には「敬老の日提唱の地」と刻まれた石碑や「敬老の日発祥の町」モニュメントがあります。
約2メートルの石碑は八千代コミュニティプラザの玄関脇に、1985年9月15日に建立されました。
「敬老の日発祥の町」モニュメントは八千代ライオンズクラブ結成40周年を記念して、2004年12月20日に保木南交差点付近に建立されています。
2016年9月15日には多可町にて「敬老の日制定50周年記念式典」が行われ、秋篠宮夫妻や加藤勝信内閣府特命担当大臣（当時）が出席されました。
多可町は自他共に認める「敬老の日」発祥の地というわけですね。
